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タイプ8の成長について(ある人に)

こんばんは。都内では桜ももう見ごろは終わりです。
花散らしの雨も降り、今日はあちこちで雷まで!何も被害が出ていないといいのですが。
今回は別の場所(Facebook)に、わーっと書いてしまったことを少しまとめてみます。
そのときはちょっと感情的に書いてしまって、今になって”恥ずかしい”「感情センター」の私です(^^;;


私には、ガッカリしようが腹が立とうが、どうしても嫌いになれないあるミュージシャンがいます。
好きとかLOVEとかでは言い表せない、半ば執着に近い気持ちを持っていて、こんなことは今まで生きてきて初めてなので、自分でも困っています(苦笑
T3の私は元々そんな面倒くさいことしたくなくて、すぐ離れてしまうからです。
まだ幸か不幸か生で見たことはありませんが、DVDやインタビューや作品から、彼のエニアグラムのタイプは何となく分かっていました。
たまたま少し前と、昨年のインタビューをWebから掘り起こしてきて、機械翻訳&手作業でちまちま訳してみたところ、その何となくが「ハッキリ」したのです。


HEADBANGER.ru

Metalkings.com

Metal Shock Finland

もう、笑っちゃうくらいタイプ8です。笑ったあとに涙が出る感じです(泣
タイプに国境、人種、性別はないことは分かっていましたが、私のつたない英語力でも、タイプ特有の言い回しや語調がある程度理解できるとは驚きでした。
まあ、このタイプは外に発散するものが実に分かりやすいというのもあると思いますが。
彼はバンマスですから当然その立場でものを言っているわけですが、それを割り引いても言葉がキツめだなあと感じます。
あと、まるでソロでやってるかのように「個人」が前面に出ています。
タイプ8はごりごりの個人主義者ですから。
まるでソロ・アーティストとしてインタビューに答えているかのような空気を感じます。
インタビュアーが上手くふればメンバーの話も出てきますが、もしふられなかったら話さないのかも…と危ぶんでしまいます。


彼は当初から自分のバンドで書く歌詞を皮肉、だのブラックユーモアだの言い続けているのですが。
そんな当人の思惑とは違って、全て「キッツイ本音」にしか聞こえないのがタイプ8。
しかも出来事や感情がろ過されてないので、他者から共感を得ることはなかなか難しい。
もともと言葉を飾るのは苦手な人たちです。勿論T8でも歌詞を書く人たちはいますが、それなりの地位を保っている人たちは勇壮な物語や歴史を描くとか、自分の持ち味を生かしてやっています。
ところが、この「彼」は自分の書いているものが、物語化されていると自分では判断しているらしいのですね。
いやいや、絶対これあなたのことか、あなたの周囲のことでしょう、分かりますよ、と言いたくなります。
実際、あるインタビューでバカ正直に”口にしたら関係性が壊れそうなことを歌詞にして解消している”とか言ってました。
それ言っちゃったら結局、関係性悪くなるじゃないですか…(^^;;
タイプ8のユーモアは結構相手の弱点や傷を抉る方向に行きますので、分かる人には辛いでしょう。
どうも彼は自分が前にいたバンドの歌詞担当者(T5)を意識してると思われますが、あちらの皮肉やブラックユーモアは筋金入りで、他のタイプが真似できるものではありません
ろ過した水の中に少しずつ毒を混ぜ込むとか、いきなり氷水を浴びせるとか、タイプ5の皮肉ってそんな感じ。
もともと言葉の悪いタイプ8とは全く別物です。


この「彼」はなぜかずっと長年ストレスを抱えている状態で、他のインタビューでも歌詞でも「Hate Myself」が前面に出ていて、自己主張型としては健全度が低めです(涙
感情が鎧でがんじがらめになっていて、それを外して弱い自分を曝け出すと、他からコントロールされるという怖れに縛られているように見えます。タイプ8の怖れそのものです。
だから言葉はきつくなり、外見はタフになり、外へ向かってなけなしの勢いをつけるためにお酒の力を借りる。
そして何かあるとストレス方面の5方向へ動いて、周囲から離れてひとりで距離を置き、何も発信せず手負いの獣のようにしばらく力を蓄えます。
普段のタフで外向きの態度が嘘のように、放心状態になったり関わらなくなったり、他者に対して冷笑的になり軽蔑的になったりします。これも自分で「ブラックユーモア」だと思い込んでいるところでしょう。
ナイーブなタイプが周囲にいたら、かなりの確率で逃げてしまうかもしれません。そのことで自分が「拒否された」と感じたタイプ8は、ますます頑なに他者の手から自分を遠ざけていきます。悪循環です。


タイプ8が成長するために必要なことは、ただひとつ。
自分の中にいる弱くて無垢な子供の部分を否定したり抑圧したりしないことです。
赤ん坊や動物の赤ちゃんに触れるときに、ふっと感じる心の奥の何か。
そういうものが自分にもちゃんと備わっていて、それは寧ろ自分を柔軟に強くしてくれるものだと気付くことができれば、タイプ8はそれ以上は何も必要ない。
自分の繊細な心ときちんと繋がった感覚のあるタイプ8は、自分の防衛や力にも限界があることを分かっています。
あからさまではなくても、大らかな優しさと地に足の着いた力強さを他者に感じさせ、そのことでまた彼らは強くなれるのですね。
「彼」はまだまだ自分の内部に触れることはできないのかもしれません。
ただ、2年前にアルコールをコントロールしたと宣言していたので、それは良い傾向だと思います。
また、家族を大切にしたいから長いツアーもやらないと言っているので、それは大事にしてほしい。
(ただ文脈からは”離れたくない”という執着っぽいものを感じるので、そこは今後の課題かもしれない)
今の彼の歌詞は、生の傷を「ほら見ろ」と目の前に突きつけられているようでとても痛々しく感じるけれど、たとえ明るくはなくても他者への共感がどこかに伺えるものがいつか表れてくれればいいな…と心から願っています。
現在、聴こうとすると胃が痛くなってアルバム全部は聴けないので。ファンとしてとても悲しいです。
ちなみに彼はかなりウイング7のきついタイプ8だと考えています。きっとタイプ5の前のバンドのバンマスと一緒にいるのは、さぞかし精神的にキツかったことでしょうね。


もともとタイプ8が好きな私としては、いろいろ新たな課題を与えられた気分です(苦笑
これからも文句を言いながらも応援していくと思います。
それでは今回はこのへんで。

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エニアグラム~バンド内に見られるタイプのあれこれ

こんばんは。関東は桜が満開です。
そろそろ散り始めているところもあり、明日の雨模様が花散らしの雨になるかもしれません。
お花見をされた方はいかがでしたか?年に一度のお楽しみ。
我が家はいつも地元の桜通りを散策します。今年もキレイに咲いていました。
昨年の今頃はそれどころではない雰囲気でしたものね。


さて、今回は私の趣味である音楽、それも所謂ロックバンドの中に見られる
エニアグラムのタイプにまつわるあれこれをお話してみようと思います。
流石に本人がタイプを特定した、という訳ではありませんので(笑
こういう見方もあるよ、という話だと思ってくださいね。
ただ、それぞれの動画やDVDを見たり、インタビュー記事をこまめに読んだり、
どういう曲を書いているかなどあれこれ調べてはいます。


芸能関連とういうと皆さんが真っ先に思い浮かべるのはタイプ4でしょうか。
人と違った自分だけの個性を大切にした人たち。感情表現が豊かで好き嫌いも激しい。
芸術家っぽいイメージがあります。
タイプ4の筆頭はエアロスミスのスティーブン・タイラーでしょう。
彼のファッションはとても独特ですし、彼なりのスタイルが守られています。
しかも気紛れで急に脱退すると言ってみたり。周囲は彼に振り回されっぱなし。
タイプ4はもともと集団に対する義務感に薄いところがあります。
集団からひいてしまう行動様式プラス好き嫌いで物事を決める性質が出るんですね。
最初からソロでやる人もいますが(デヴィッド・ボウイのように)
バンドで始めると、中での人間関係次第では例えその人がフロントマンであっても
すぐに抜けてしまう可能性があります。
また、マイケル・シェンカーのように、ちょっと嫌な事があると
ステージそのものを投げて帰ってしまうことも。


バンドも普通の集団と同じで、いくつかのタイプがうまく混じってバランスを取ったほうが
多少の摩擦はありつつも長続きするようです。
面白いのは例えばタイプ8だからといって、必ずしもバンマスになるわけではないということ。
一例がアイアン・メイデン
フロントマンのブルース・ディッキンソンは私の判断ではT8W7です。
「何万人観客がいてもこの親指ひとつにまとめてやる」という発言や、
ゴツゴツしたパフォーマンス、少年っぽい旅客機の操縦などタイプ8らしさに
溢れています。
ただ、アイアン・メイデンのバンマスはベースのスティーヴ・ハリスです。
彼は多分T6W5。彼のパフォーマンスの様子や曲作り、好みの音楽などからそう判断します。
タイプ6がベースと同じにがっちりと静かに下支えをするからこそ、
タイプ8が思い切り動き回れるという関係もあるのです。


ベース担当がバンマスをやっているバンドもそこそこありますね。
その中でもT8W9のベースがバンマスをやっているところは、長く続く印象があります。
例として真っ先に思いつくのがプライマル・フィアのマット・シナー
ANTHEMの柴田直人
どちらもバンマスがどっしりとバンドのカラーを変えずに支えています。
タイプ8はウイングが違うと「支える」力が全く変わってきます。
ウイング7はフロントマンには向きますが、楽しいことが大好きで少々不安定なため
バンド経営はストレスになりやすく最悪アディクションの問題を抱えることもありえます。
人と働くことは好きなのに、特徴自体は「一匹狼」だからでしょうか。
ウイング9はその点、もともとファミリー志向です。
人の動向をじっと静かに見ており、無言でも周囲に何となく重みや責任感を感じさせます。
流行を追わないので派手さには欠けますが、固定ファンにとっては頼もしいバンマスです。


個人的に本当に面白いなあと思ってみているのが、ドイツのメタルバンド
ブラインド・ガーディアンです。
バンマスのハンズィ・キアッシュはT8W9、ヴォーカルですが元々はベースも弾いていました。
その彼と同じ学校の同級生で、在学時からプロを目指して前身のバンドを作ったのが
リード・ギターのアンドレ・オルブリッチ。彼はT4W5。
そのアンドレがギター仲間から引っ張ってきたのがリズム・ギターのマーカス・ズィーベン。
彼はT6W7です。
今はメンバーチェンジしてしまいましたが、学校の後輩でアンドレの追っかけ(笑)
だったのが中期までのドラマー、トーメン・スタッシュです。彼のタイプは不明としておきます。
なぜかというと、ドラムの位置はある意味「どのタイプでも大差ない」からです。




この動画を見るとわかるのですが、ライブで一番盛り上がる曲で必要なのはこの3人。
三角形というフロントの形があまりに安定しているために、内部完結してしまいます。
そこに緊張感や余白を与えるのがこのバンドのドラムの役割なのでしょう。
何が驚きかといって、自分の個性以上にバンドのカラーを大切にするタイプ4の存在です
タイプ4の最大の囚われである「個性の発揮」よりブラインド・ガーディアンらしいことが
上位概念として強烈に働いている。
これはハンズィがよくこの雰囲気を作ったなと感心するばかりです。
メンバー全員がブラガらしいこと以外はせず、音も全員のバランスを崩すものは外す。
休日でもなるべく一緒にいる上に、家族ぐるみで近くに住んでいる。
これが「ファミリー」でなくて何でしょう。
ただしそこに居心地の良さを見つけられないと、トーメンのように離れるしかありません。


トライアングルもよくできていて、マーカスをハンズィが連れてきていたら
これほど長年リズムギターのみに徹していたかは分かりません。
まず守るべきバンドの存在と、支えて守るべきリードの存在があってこそでしょう。
その上で、タイプ6はタイプ8に支えを求めるのでうまく回るのです。
これは他の二人も全く一緒で、アンドレはバンドの共同経営者であり同級生である
ハンズィに対する面と、音のパートナーであるマーカスに対する面を使い分けることで
タイプ4の振れやすさをうまく流しているように見えます。
まあ、彼は随分と健全なタイプ4のようですから、皆が大事に守ってくれていますけど(笑
そしてハンズィもタイプ8ではあっても、アンドレがイヤだということはかなりの確率で
引っ込めているのですから、相当に囚われの少ない人物です。
このバンドは、それぞれのタイプで健全度の高い人たちの好例です。
現在25周年ですが、これからも仲良く長続きしていってほしいものです。


いかがでしたか?DVDを見るときにでも、その人のタイプを想定すると面白いですよ。
意外な発見があるかも。
今回はこのへんで。次はまた違う話題をお届けします。


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アガサ・クリスティの作品に見るエニアグラムのタイプ~タイプ7

こんばんは。
またしても随分ご無沙汰になってしまいました。創作モードからちっとも戻ってこれません(^^;;
前回予告したのに3ヶ月も放ったらかしにしてしまい申し訳ありませんでした。


今回はアガサ・クリスティの「予告殺人」(ハヤカワミステリ文庫、田村隆一訳)。
これもミス・パープルもので、リトル・パドックスという田舎町で起こる殺人事件が中心です。
この中に出てくる、ミス・パープルの幼友達の娘にあたる、牧師の妻バンチ・ハーモン。
彼女はいつも楽しそうな人物として描かれます。そしてとても正直です。


「まあ、すてき!」とハーモン夫人は朝食のテーブルにむかいあっている
夫のジュリアン・ハーモン牧師にいった、「ミス・ブラックロックのところで殺人がありますわ」
(P20)


「ずいぶん嬉しそうだね、バンチ」と夫も微笑しながらいった。
「だれでもあたしみたいだったら、嬉しいはずでしょう?」とバンチはむしろびっくりしてたずねた。
「あなたとスーザンとエドワードとみんないっしょに住み、みんなあたしを愛してくれて、
それにあたしがおばかさんなのに気にしないでいてくれるんですもの……太陽も輝いているし!
こんな綺麗な大きな家に住んでいるし!」
ジュリアン・ハーモン氏は大きな、家具もろくにない食堂を見まわし、そんなものかな、と
いうような顔をした。
「こんなだだっ広い、隙間風が入る家なんて、よほど貧乏をしなけりゃ住みやしない、と思う人
だっているかもしれないよ」
「でも、大きい部屋好きなの、あたし。おもてのいい匂いは残らず部屋のなかにはいってきて、
消えませんわ。それに少しくらい汚くし、取りちらかしたってどうっていうことないし、気にも
なりませんもの、大きい家ですとね」
(P21)



この後、家事の楽しさを夫に説明した後、自作の調子はずれの殺人の歌を明るく歌いながら
バンチは退場します。とにかく彼女は元気いっぱいで楽しそうです。
人があまりよくないなと思う環境でも、彼女にかかればとても素敵でワクワクするような環境に
思えてくるから不思議です。タイプ7には人並みはずれた「良いとこ探し」の才能があります。
ひとつでも良いところが見つかれば、いくらでもそれを盛り上げて周囲を楽しくさせます。


タイプ7は他人にどう思われるか、他人がどう受け取ったかにあまり頓着しません。
例えばタイプ2にあるような「返報」への欲求はないのです。自分がやりたいからやる。
だから見た目は陽気ですが、ちょっとズボラなところがあるのも否めません。


「でもハーモン夫人だけは例外でした。あの人、可愛い方ですわ。帽子は落っこちそうになり、
靴ひもは結んでないという恰好で入ってくると、いきなり、いつ殺人がはじまりますの?なんて、
たずねるんですもの。みなさん、困っていましたわ。だって、ほかの人は、偶然通りかかったので
やってきたんだっていう顔をしているんですからね(略)
(P83)



他人にどう思われるか気にしないので、タイプ7はとても「正直」です。思ったことはとりあえず口から出ます。
頭と口までの距離が非常に短いのです。ですから、時々困ったことになることもあります。


「誰かあたしに、似ていて?」
「そうね、バンチ、あなたはあなたにいちばんよく似ててよ。とくに誰かを私に思い出させるということは
ないけれど--そうね、あれを除いたら--」
「ねえ、あれって誰のこと!」とバンチ。
「私の家にいたパーラー・メイドのことを考えていたのでよ、バンチ」
「--パーラー・メイド?あたしだったら、箸にもかからないメイドになっていてよ」
「そうなの、うちのメイドはそのとおりなのよ。彼女のお給仕といったら、それはたいへんなものでしたわ。

テーブルには、なんでもかまわずにゴチャゴチャ置くし、台所のナイフも食堂のナイフもいっしょくた
なのよ。--この話はずいぶん昔のことなんですけれど--彼女の帽子ときたら、いつだってキチンと
かぶっていないんですからね」
バンチは思わず自分の帽子をなおした。
(中略)
ある日、私のところにきて、--「あたし、なんにも知りませんけど、ねえ奥様」といって、
「でも、あのフローリイの坐りかたといったら、まるで結婚をした女のようですわ」じじつ、
フローリイは妊娠していました(略)
(P205~206)



この作品の中でハーモン夫人は皆に愛され、幸せな人として描かれています。
それは彼女が小さなことにも心から喜びを見出し、実際は貧しい牧師館の生活を元気いっぱい
切り盛りしているからでしょう。
タイプ7の課題は今ここにある小さな幸せでなく、次から次へと目新しいものを手に入れないと
幸せになれないという思い込みをいかにして乗り越えるか、ということです。

少々とっちらかっていたとしても、ハーモン夫人はいまここにある幸福を身体中で表現しています。
連続殺人事件が起こる中、彼女が出てくるシーンはちょっとした微笑をさそう息抜きの場です。
こんなタイプ7は、誰でも愛さずにはいられない「可愛い人」なのでしょうね。


次回はバンドの中に見るタイプの違いを取り上げる予定です。

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アガサ・クリスティの作品に見るエニアグラムのタイプ~タイプ4

こんにちは、随分更新をさぼってしまいました。
実のところ、冬に入っていきなり創作熱が高まってしまい、そちらにかまけていたせいです。
コミケ等から足を洗って10年近く、再び萌えの神が降臨するとは思いませんでしたorz
そちらは目に付かないところでひっそりぼちぼちやっていくことにしました。


今回は年末ということもありますので、閑話休題的に小説の中に現れる
タイプの特徴を見て行きたいと思います。
映画にしろ小説にしろ、人物がうまく描けているなと感じる作品に共通するのは、
作者が意識せずとも、エニアグラムのタイプの特徴を一貫して描いていることです。
エニアグラムでは、人が好調の時と不調の時の心の動きを説明しています。
また、精神的な成長の段階も説明されています。
これをよく呑み込んでおくと、描写された人物に「筋が通っているか否か」が分かります。
ガラリと人が変わったといっても、エニアグラムの考え方ではある一定の範囲内で
変化するとされているので、そこからはみ出した描写はどうしても違和感があるのです。


さて、ごく普通の恋愛小説でもサスペンスでもいいのですが、私がここで取り上げるのは
アガサ・クリスティのミステリです。
上質のミステリというのは、登場人物がある一定の記号になっていて、それでいて魅力があり
一貫した行動をとるように描かれているものだと考えます。
ですからそういうものを読めば、おのずとあらゆるタイプの魅力や短所の部分が学べるのです。
今回はその中でもタイプ4が素晴らしく描かれていると、私が思った作品を採り上げます。

まずは「鏡は横にひび割れて」(橋本福夫訳:ハヤカワ・ミステリ文庫版)です。
ミス・パープルもので、彼女の住む小さな村セント・メアリ・ミードが舞台。彼女の友人である
バントリー夫人の旧宅ゴシントン・ホールを有名映画プロデューサーと大女優の夫妻が購入し、
改装後の野戦病院記念パーティである殺人事件が起きて…というストーリーです。
ここに登場する大女優、マリーナ・グレッグが正しく芸術家肌のタイプ4です。
彼女の描写の端々に、タイプ4らしさが現れていますので、一部抜粋いたします。


背がスラリと高く、柳のような身体つきだった。顔や頭のかたちにはグレタ・ガルボを連想させるような
美しさがあった。彼女は単なるセックスよりも個性を映画に持ち込んだ女優だった。不意にかしげた
頭のかっこう、深みのある美しい眼の見開きかた、唇のかすかなふるえ、そうしたものが、ハッと
息をのまされるような愛らしさをもたらした。それはととのった容姿からくるもではなく、観客の
不意をおそう一種の肉体的な魔術だった。(中略)自分のうちにひっこみ、もの静かなよそよそしい
態度に出て、熱心なファンを失望させることもできた。そうかと思うと、つとかしげた頭のかたち、
手の動き、不意に浮かべたほほえみで、魔術を再現させることもあった。(P46-47)


セックスアピールよりも「個性的」な美で頭角をあらわした女優、という位置づけです。
ほっそりとして繊細で、気分によって冷たくも愛らしくもなる、そうした特徴がよく分かります。


「相手が幸福になれるたちの人でもないかぎりはね」とバントリー夫人は助け舟を出した。
ついで、考え顔になり、こうつけ加えた。「なかには不幸を愉しんでいる人もあるし」
「ところが、マリーナはそういうふうでもないのですよ」エラ・ジーリンスキーは首を振った。
「あの人の場合は感情の起伏がはげしすぎることのほうが原因なのです。よくあるでしょう--、
一瞬間は有頂天な幸福さにひたり、何もかもが嬉しく、何もかもが愉しく、すばらしく
感じられるかと思うと、次の瞬間には何か些細なことが起き、そのとたんに今度は逆の極端に
おちいるというふうなのですから」
「きっとそれは特異な気質のせいなのでしょう」とバントリー夫人は漠然とした言い方をした。(P56)


極端な感情の起伏に本人自身が一番傷ついてしまう、タイプ4らしい姿が周囲の人物から
説明されています。いつも鬱状態ではなく、素晴らしい幸福感にはしゃぐのもタイプ4の姿です。


「わかりませんか?説明するのは少々厄介なのですよ。理解してもらうには、マリーナという
人間のことを知っていてもらわねばなりませんから。マリーナは幸福感と安定感をぜひとも
必要としている人間なのです。今までの生涯は物質的な意味では非常に成功でした。
芸術的にも名声を博しましたが、私生活のほうはこの上もなく不幸なものだったのです。
幾度となく幸福を見出したと思いこみ、有頂天になったかと思うと、その希望をみじんに
うち砕かれてしまうしまつでした。クラドックさん、マリーナは合理的で慎重なものの考え方の
できない人間なのですよ。今までの幾度かの結婚でも、あのひとは、まるでおとばなしを読む
幼児みたいに、今後永久に幸福に暮らせるものと期待したわけです」(p136)


自分が持っていない素晴らしいものを手に入れたら、全てが幸福でうまくいくという思い込みと、
それが手に入ったとたん理想どおりではないことに絶望してしまうタイプ4らしい遍歴が
マリーナの夫であるプロデューサーのジェースン・ラッドから語られます。


クリスティの作品は、一時彼女がウェストマコット名義で普通小説を書いていたこともあって、
記号的でありながら、人物の細やかな描写が性格の研究に使うには適しています
この作品には、タイプ2やタイプ7であろう人物も登場しますので、まだ未読の方は
ぜひ読んでいただいて、タイプ4に対する素晴らしい描写をお楽しみいただければと思います。
次回は同じクリスティ女史の、別のタイプが登場する作品をご紹介します。


今年一年、大変お世話になりました。
来る年が皆様方にとって良いものでありますよう。引き続きよろしくお願い申し上げます。



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第8回エニアグラムフォローアップセミナーのお知らせ

第7回フォローアップセミナーも無事終了いたしました。
今回はお二人、社長&ママ業に頑張る女性と、北海道から就活のついでに
お寄りいただいた大学生。ステキな方々でした。ありがとうございました!
次回フォローアップセミナーのご案内です。
今回はタイプ8について。強く頼もしく白黒はっきりのタイプ8。意外な一面を学びましょう。


********************************

エニアグラム・フォローアップセミナー(タイプ8)

・開催日
 2011年10月8日(土)
 13:00~17:00


・対象
 どなたでもお申し込みいただけます。1名から開催いたします。

・場所
 タイワハウス(笹塚)

・持ち物
 筆記用具

・お茶、コーヒー、お茶菓子あります(100円で飲み放題)。
 お好きなお菓子をご持参いただいても構いません。

・参加費用
 社会人:上限4000円 学生・求職中:半額
 ※これは最高金額例です。参加者数で頭割りをしますので、参加者により金額が変動します。

参加ご希望の方は、右側のメールフォームより
・お名前
・メールアドレス
・ご住所
・連絡先電話番号
・ご職業
・セミナーに期待すること
※割引対象者はその旨、お書き添えください。

以上をご記入のうえ、10月6日(木)までにお申し込みください。

または、TwitterのDM、Facebookのイベント欄からもお申し込可能です。

のちほど会場アクセスなどを記載したご案内メールをお送りいたします。
参加費は当日主催者にお渡し下さい。

********************************

セミナーと銘打っておりますが、一方通行ではなく
対話や質問大歓迎、のんびりした雰囲気で進めていきます。
グループセッション、勉強会という感じです。
お茶やお菓子をいただきながら、ゆったりのんびり。

自分のタイプについてもっと詳しく知りたい!
周囲の人はもしかしたらこのタイプなのでは??などなど。
自分や周囲と仲良くなれるきっかけをつかめる
そんな場にできたらいいなあーと思います(^-^)b

よろしくお願いいたします。

※11月はタイプ9、11/12タイワハウスで予定しております。今期は11/12が最終回です。

テーマ : メンタルヘルス・心理学
ジャンル : 心と身体

プロフィール

whitebellsweet

Author:whitebellsweet
武蔵国府在住の兼業主婦。
エニアグラムコーチングの
インストラクター過程修了。
タイプは3w2。
ワークショップやセミナーの予定は
ブログのトップ記事から
スケジュールページでご確認ください。
趣味はベランダでのバラ栽培。
音楽(HR/HM、プログレ、古楽など)。
フィンランドのとあるバンドが大好きです(^^;;

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